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相手の「主体性」を引き出す方法②

こんにちは!

前回は、相手の「主体性」を引き出すには
どうすれば良いのか?
その理論についてお伝えしました。
→ 相手の「主体性」を引き出すために①

この主体性を引き出すというテーマは
僕自身、ずっと研究してきたことで

詳しくはいつも講演会や研修で
「消えないヤル気の作り方」という
テーマでお伝えしています。

なので、なかなか一言で全てを伝えるのは難しいのですが
教育者としてリーダーとして
僕が大切にしていることを
1つお伝えしたいなと思います。


【感動体験が人を変える】

「教育」を生業にして15年。

現場の最前線で、実践を重ねて
研究を積み重ねた結果、たどり着いた揺るぎない真実があります。

心に響く【感動体験】をしたときに
人は、初めて行動に変化が生まれる
ことです。

「むりやりもたせたペン」と「自ら握ったペン」では
後者の方が早く動くということは、周知の事実だと思いますが、

教育の現場の最前線で活動していると、
いやというほどこの事実を目の当たりにしてきました。

「自ら握ったペン」の前に、もはや敵は存在しません。

あれよあれよという間に成績は上がり始め
たった2~3ヶ月で偏差値が15くらい
伸びることもよく起こります。

そのきっかけはいつも
「心が突き動かされる体験をしたとき」です。

その体験が、自信を無くしたお子様を縛る
「思い込みの壁」を壊してくれるのです。

そう考えると、相手の主体性を引き出すということは

「相手が感動できるような仕掛けを工夫する」

と言えます。


【相手が感動できるような仕掛けを工夫する】

そう言われると、
「結婚式のサプライズ」のような
盛大な仕掛けをしないといけないの?

と思われるかもしれませんが、そんなことありません。

「相手」のことを深く観察して
相手のメリット、ニーズを探り、
その人にあったアプローチを提供できるか?

そして、感動を与えるためのひと手間を惜しまないかどうか?

教育やビジネスの現場で、
感動体験を提供するには
「観察力」「思いやり」こそ
感動を与えられるリーダーに不可欠な要素だと感じます。

1つ具体例を挙げてみましょう。

「学校の定期テストの成績がクラス最下位で
勉強の習慣とヤル気を失っている」

というお悩みを抱えた高校2年生に
以前英語コーチングしたときのこと。

勉強の中でも、特に英語が嫌いで
塾に行くのも嫌がるし、
メンタル的なサポートもできる人ということで
僕に声がかかりました。

その子の場合は、
1回2時間のトレーニングで
英語が苦手というイメージを払拭することに成功しました。

僕がその2時間で何をしたかというと

「共通テストの過去問を一緒にやる」

ということでした。

実は、そのお子様が通っている高校が
関西でも超トップクラスの進学校だったのですね。

なので、定期テストの問題が、その辺の大学受験の
入試問題なんかよりも全然難しいのです。

そして、毎回のテスト範囲も膨大で
細かすぎるところまで「暗記」しないといけない。

その結果、いつも対策が間に合わず
点数が伸びず
クラス最下位になっているという現状でした。

それで、やる気も自信も無くしているので
負のスパイラルにはまっています。

逆にいうと、この子の場合は
この負のスパイラルから抜け出す
きっかけと視点を変える気づき

当てられれば、大丈夫だなという自信もありました。

本人との体験トレーニングする前の
お母様との打ち合わせの時に、
そのことに気づけたので

共通テストの過去問を用意するという
ちょっとしたひと手間と

その中でも、どの問題を一緒に取り組めば、
本人の自信に繋がるのかをシュミレーションして
体験トレーニングに挑みました。

すると狙い通り作戦は大成功。

高校2年生の段階で既に
共通テストの英語だと7割くらい
点数が取れる実力があることを体感してもらったのです。

本人も苦手だと思い込んでいた
英語で、思った以上に手応えがあったので
びっくりしているようでした。

そのタイミングで伝えました。

「高校2年生の夏の段階で、共通テストの英語7割近く取れる子なんて
正直、全国平均で見たら十分トップレベルや。〇〇君が英語苦手やーと思うのは
勘違いやと思うけどな」

「〇〇君の同級生には、もう何十人も東大行くバケモノが
たくさんいる。そんな超ハイレベルな中で日々競争しているから
定期テストの成績は振るわないかもしれない。
でも、そこで消耗して、定期テストで点数取れなくて
テンション下がるなら、もう最初から
定期テストは無視しよう」

「先を見据えて、まずは共通テストのマーク形式で
点数取るための勉強に一点集中してやろう!
受験勉強と定期テストの勉強は全然やり方が違うから」

まさか、先生・指導者と呼ばれる立場の人から
〈定期テストはもう捨てよう〉という発言が出たことの
本人はびっくりしていました。

「えぇ、目の前のテストはどんなテストでも
全力尽くさないとダメだと思っていました」

「そりゃ、全部頑張れるならそれに越したことはないよ。
でも、実際〇〇くんはそれができずに苦しんでるねんやろ?
そしたら、戦略見直すのは全然悪いことではない。」

「現役で旧帝大に行きたいという目標あるんやんな?
目標のために、無駄なものは省いて
一点集中して突破するために
頑張ることは、逃げでもなんでもない。
自分の持っているリソースを1つのことに集中させて
結果を出すのは、社会出てからも使える
立派な戦い方の一つやで」

こんなやりとりを繰り返す中で
彼の表情はドンドン晴れやかになっていきました。

自分は決して、全国レベルで見た時に英語ができないわけではない。
定期テストは最下位のままでも志望校を狙うことはできる。
どうしてもやる気の出ない
定期テストはもう頑張らなくても良い。

今まで、彼が縛られていた「思い込みの壁」
外れた途端、彼は変わりました。

彼のレベルと目標に合わせた適切な量と質の課題を
毎週提案していく中で、

彼が、僕の提案する
課題をサボることはありませんでした。

自ら握るペンに変わった瞬間です。

最終的には、模試の英語の偏差値は70を超え
第一希望の旧帝大に合格することができました。

このケースの場合は、元々超進学校通っている
優秀な子だったから上手くいったのでは?

と思われた方もいるかもしれません。

でも、あくまでこれは感動体験を提供することが
できた一例に過ぎません。

100人いれば100通りのやり方があります。

だからこそ、
「相手」のことを深く観察して
相手のメリット、ニーズを探り、
その人にあったアプローチを提供できるか?

そして、感動を与えるためのひと手間を惜しまないかどうか?

そのひと手間には「心を込めた対話」も含まれます。

感動体験を与えるのに、盛大な仕掛けはいりません。

大切にしたいと思える人への
「観察力」「思いやり」
のレベルを少し上げてみてください。

その小さな心遣いが
感動を与えられるリーダーへの第一歩になります!


このブログは、

教育の仕事は、自分が成長すればするほど
縁あった相手の成長の感動を共有できる最高の仕事。

という僕の信念を基に掲載しています。

今日もどこかで頑張る「教育者」「保護者様」「リーダー」の
後押しになること願っています!

いつもシェアありがとうございます!