以前、令和の時代を生きる若者に向けて、「加速する人材の二極化」というテーマについて、その背景と対策についてまとめました
今回は、そんな時代における子育ての在り方について、より深く考察していきたいと思います。
現代は、かつてないほど子育てが困難な時代と言えるでしょう。なぜなら、私たちは「これまでの常識が通用しない時代」に直面しているからです。
AIの台頭やグローバル化、価値観の多様化など、急激に変化する社会を生き抜くために、これまで以上に「個人の力」が問われる時代に突入しました。
ひと昔前であれば、学校で勉強を頑張り、大企業に就職すれば、ある程度安定した人生が約束されていました。
しかし、今では、学歴や肩書き以上に、「主体性」「創造性」「コミュニケーション能力」といった“個人の内面の力”が重視されるようになっています。
つまり、これからの時代を生き抜くには、単に知識を詰め込むだけの「見せかけの成績」ではなく、自分の人生を自ら切り開いていく「人間力」が不可欠です。
「子育てはこうすればうまくいく」という正解が見えにくい時代になったからこそ、子育てにおける“思考の軸”をしっかりと持つことが、ますます重要になっています。
では、子どもの「人間力」を育てるうえで、何が必要なのでしょうか?
この時代の子育ての目標は、「自律」と「自立」

現代の子育てにおいて、目指すべきGOALは、「自律心」と「自立心」の育成です。
自律心は、現代において最も必要とされる能力です。外部から厳しく指導され、引き上げてもらえる環境が減少している現代社会では、自分で自分を律する力が何よりも重要になっています。
また、現代は「堕落の誘惑」に満ちあふれています。SNSに動画コンテンツやオンラインゲームなど、スマホ一つあれば、どれだけでもダラダラすることができます。
さらにそのような中毒性の高いコンテンツが、ほとんどが無料で楽しむことができてしまうのです。
この誘惑に無防備なままでいると、自立して社会で活躍するどころか、スマホ依存やゲーム依存に陥り、社会に出ることすら困難になるケースもあります。
だからこそ、「自律」して「自立」することは、現代社会で生き抜くための最重要スキルだと言えるのです。
この力をどう育むかが、これからの子育てに求められている最大のテーマです。
子供の「自立」と「自律」を促すために親が心がけたい2つのこと

それでは、子どもの「自立」と「自律」を育てるために、親はどのようなことを心がければ良いのでしょうか?
私は、15年以上教育の現場に身を置き、何千件もの子育ての相談に応じてきました。中高生とそのご家庭のサポートをする中で、子どもたちの変化と成長を日々見つめ続けてきた経験があります。
その中で見えてきた、大切な2つのポイントがあります。
1、「他者比較をしないこと」
2、子供の持つ「幸せの価値観」を尊重する
この2つのポイントがいかに重要か、教育の現場の最前線で、身をもって感じてきました。
私のコーチングは、中学1年生から大学受験まで、さらにはその先の就活・キャリア相談までと、一人のお子様に一貫して関わることも多々あります。その中で、10代〜20代の長期的な成長を間近で見てきました。
ご縁があったお子様の中には、中学から不登校になったり、勉強が苦手で、いわゆる難関大に合格できかった生徒もいます。
しかし、上記の2点を大切にしながら、親が「一人の人間としての敬意」を持って接していたご家庭の子どもたちは、学生時代の挫折を乗り越えて、自分の意志で進路を選び、立派に自立して、社会に適応しています。
逆に、親が自分の価値観を一方的に押し付け、強制的に中学受験をさせてしまうケースもありました。仮に難関私立中学校に入学できたとしても、その後成績が思うように伸びず、親子関係が悪化し、本人の自己肯定感も崩れていくケースをたくさん見てきました。
そうなると大学受験はもちろん、自立心も削がれて、生きる力を失ってしまいます。
だからこそ、なぜこの2つの視点が本当に重要なのか——。
次回は、その理由について、より深く掘り下げてお伝えしていきます。
ーつづくー
このブログは、
AI時代を生き抜く「自立型人材」を育成する
という私の信念を基に掲載しています。
一人でも多くの人が人間関係や自己実現の悩みが解消されることを願っています!
