毒勉の対策シリーズも5回目になりました。
前回の記事はこちら
私がこの対策法でお伝えしている習慣や思考法は全て
「短期的な偏差値よりも、長期的な幸せ」
という信念をもとにお届けしています。
1つでも多くの教育熱心なご家庭に届けば嬉しいです!
対策5
観察力 〜見てると観察は違う〜
前回は、親御様の子育ての不安が生まれる原因として
「知らないこと」への不安や恐怖
により否定ベースの対話に繋がると言うことをお伝えしました。
今回は、対策の5つ目として
「観察力」
というキーワードでお届けいたします。
【数字だけを見ていませんか?】
見てると観察は違う!
これは、一流のリーダーにも共通する点なのですが、子育てでも大切な概念になります。
子育てで分かりやすい事例は「テストの点数」です。
見ているだけの保護者様は、ただ目の前のテストの数字しか見ません。
「なんで70点しか取れないの?」
「毎回100点で素晴らしいね」
その結果、点数によって一喜一憂してしまい、点数や偏差値だけで進路を決めてしまいます。
しかし、観察力を発揮する親御様は、そのテストの点数の裏側に潜むプロセスまでしっかりと観察しています。
例えば、子供が学校のテストで100点を取ったとしても、
「私が何も声掛けしなくても、この子は自発的にテスト勉強するな。勉強の好奇心は強いタイプだから、よりレベルの高い学校で競わせるのもありかな?」
「確かに、今は点数は100点だけど、何回も勉強しなさいと言わないとこの子は勉強しないな。今のところは、私が付きっきりで学校の内容を先取りさせているから点数は取れているけど、あまりレベルの高いところに入れるとついていけないかも。」
このように同じ100点でも、そこに至るまでの過程や、お子様の性格、気質、興味の対象をしっかりと観察する。そのことが、お子様の進路のミスマッチを防ぎます。
それでは、実際に点数以外ではどのような点に注目して、観察すれば良いのでしょうか?後伸びするお子様に共通するポイントはやはりあります。目先の点数だけでなく、以下のポイントも参考にしてみてください。
【ポイント1】負けず嫌いか?
1つ目のポイントは、「負けず嫌いかどうか?」です。これは、スポーツでもビジネスでもそうですが、勝負や数字の世界で生きる人材には欠かせない要素と言えます。
どれだけ綺麗事を言っても、受験とはテストの点数を競う、勝負の世界ですから、やはりその世界で自分を磨き成長させていくためには、この素質は欠かせません。
テストの点数に対してプライドや悔しいという気持ちがあるか?自宅での勉強の様子や日々の姿からぜひ観察してください。
私も、20代の時に関西で合格実績NO1を誇る、超進学塾で講師をした経験がありますが、やっぱり一番上のSクラスに来るような子供たちは全員負けず嫌いでした。
定期テストや模試などの大きなテストだけでなく、日々の小テストでも絶対に満点を目指す。そして、ミスをしたり対策不足で満点でないと本気で悔しがっていました。
そういうお子様がトップであり続ける世界です。
小学校や中学校の勉強が少しできたとしても、負けず嫌いの要素がないお子様は、レベルの高い環境に入ることで、逆に自己肯定感を失う結果に繋がるケースもあります。
【ポイント2】器用かどうか?
進学塾や地域のトップ校でガンガン勉強させるなら、以下の条件くらいは難なくクリアしておいて欲しいところです。なぜなら、学校でも塾でも膨大な量の課題の処理を求められるからです。
・学校の宿題は、学校で終わらせてしまう
・言われなくてもやることをやる
・ゲームや漫画が好きでも、宿題をやってから遊びに入る
・隙間時間の使い方が上手い
逆に、親御さんが何度も何度も言わないと動けないタイプは、不器用なタイプです。
誤解のないようにお伝えしますが、器用だから偉い。不器用だからダメだと言うのでは一切ありません。ただ、不器用なお子様が、小さい頃から背伸びしてレベルの高い学校に入ってしまうと、ついていけなくなるリスクが高まることだけは認識してください。
【ポイント3】体力があるかどうか?
甘く見られがちですが、体力があるかどうか?と言うのも競争社会を生き抜いていく上では重要な要素になります。
スポーツの世界でもいくら才能に溢れていても、怪我ばかりしていては真の一流になれないように、ビジネスも受験も成果を上げるためにはシンプルに「体力」が入ります。
以前、ある関西の私立の進学校で、高校1年生で学年最下位になり、進学すら危ぶまれるお子様のコーチングをしたことがあります。
その子は、もう学校に行くだけで、心身ともにクタクタな様子でした。結果、どうしても課題が溜まり、後回しになってしまう状態。
やらないといけないと思うと、さらにそれがストレスになり、手がつかなくなり、後回しの癖がついて、生活習慣も乱れる。
授業中も、集中できなくなり、さらに成績が下がる。というネガティブループにどっぷりハマっていました。本当にコーチングしていても、こちらが胸が痛くなるくらいしんどそうな姿が忘れられません。
逆に、私なんかは田舎の少し勉強が得意な子が集まるくらいの高校出身ですが、そこでさえも定期テストでずっと1番を取っていた同級生は、体力の鬼でした。
彼は、サッカー部にも入ってましたが、1年の最初から卒業までどんなテストもずっと成績はトップ5です。
彼の日々のルーティーンは、朝は5時半に起きて、その日の授業の予習をする。部活が終わり、帰宅すると夜の8時ですが、3時間はその日の復習をして、12時に寝る。この生活を、部活を引退するまでやり続けていました。
彼が高校時代成績がトップだったのも、ハードな習慣を乗り越えられる体力があったからです。
小さい頃の勉強は、内容が簡単なので、正直センスだけでカバーできます。しかし、レベルが上がれば上がるほど、センスの差なんて僅かなもの。そこで生き抜いていくためには、何時間勉強しても疲れない体力勝負になってきます。
そう考えると、小さい頃から「体力」をつけることは非常に大切です。最終的には、受験も体力勝負になる。そのことを子育て戦略の時に、頭の片隅に置いて欲しいなと思います。
このブログは、
AI時代を生き抜く「自立型人材」を育成する
という私の信念を基に掲載しています。
自立型人材になるためには、幼少期からの勉強との向き合い方が本当に大切になります。
そのため、5回ずつに分けて、
子育て戦略として「教育熱心なご家庭に潜む罠」について
ここ5回は、【大器晩成】の子育て術をお伝えしてきました。
本当に子供のことを想う、愛の溢れるご家庭に1つでも多く届くことを願っております!