毒勉の対策シリーズも4回目になりました。
前回の記事はこちら
私がこの対策法でお伝えしている習慣や思考法は全て
「短期的な偏差値よりも、長期的な幸せ」
という信念をもとにお届けしています。
1つでも多くの教育熱心なご家庭に届けば嬉しいです!
対策4
「知らないことを知る」意識を強く持つ
前回は、親御様の
勉強しないと将来大変なことになるという、潜在的な不安
がお子様に伝播すると、毒勉の罠にハマりやすことをお伝えしました。
前回お伝えをした「不安を取り除くための対策」と並行して、もう一つやってもらいたいことがあります。
「自分の価値観を広げるために時間を使う」
という習慣と心がけです。
【不安と恐怖は知らない世界からやってくる】
そもそも人は「知らない」ことに不安や恐怖を抱きます。生存本能として古来より受け継がれてきたものだからです。
人類の祖先は、危険に満ちた環境で生き抜くために、常に警戒心を持つ必要がありました。未知のものに対して慎重に接することで、潜在的な脅威から身を守っていました。
あっちのジャングル行ったことないから、行ってみようぜ!
なんてノリと勢いだけで行動していると、野生動物に食べられて命を落とす。そのような出来事が多発する環境では、未知への恐怖が増幅するのは当たり前ですよね。
この行動パターンが遺伝的に受け継がれ、現代人の心理にも影響を与えており、当然子育てにも大きく影響しています。
この生存本能は、私たちの祖先が危険から身を守るために発達させた重要なメカニズムですが、現代社会では時として過剰反応につながることもあります。
【否定から始まる対話はなぜ生まれるのか?】
当然ですが、人は自分が経験してきた道以外の生き方を知りません。
そうなると、子供が自分の知らないことを始めたり、知らない世界に進もうとすると、否定したくなるのは本能レベルで起こることです。
例えば、子供から「バイクに乗りたい」なんて相談されるとどうしょう?
自分もツーリングが趣味なら、バイクで疾走する開放感や仲間と自然の中を走る疾走感を
【知っている】
ので共感ベースで対話ができるはずです。
しかし、バイクとは無縁の世界で生きてきたなら、気付かないうちに否定から入ってしまいます。
「そんな危ないもの乗って事故したらどうするの?」
「移動で必要なら車で良いやん」
「今の時代バイクなんか乗ってもモテないよ」
などなど・・。そして、このように自分のやりたいことを、頭ごなしで否定されてしまうと、お子様の「やりたい」と言う自発的なエネルギーは奪われていきます。
この否定から入る対話がなぜ生まれるかというと、「知らない」ことへの恐怖心と不安がベースにあるからです。
【ブレイクダンスを頑張りたいから支援して欲しいと言われたら?】
この現象は、進路選びや勉強となるとより顕著に出てしまいます。
お子様からこのような相談を受けたところを想像してください。
将来を見据えて「英語」と本気で向き合いたいから、塾に入れてほしい。家庭教師をつけて欲しい
このようにお願いされると、
「英語ができると大学受験で有利」
「就職の幅が広がる」
「就活や大学院の進学でも有利になりそう」
と言うことを自分の経験でも知っていて、プラスのイメージが湧くので、親御さんは前向きに応援したくなります。
ところが、これが「ブレイクダンス」に変わるといかがですか?
「英語」と「ブレイクダンス」と言う言葉だけをそのまま入れ替えます。
将来を見据えて「ブレイクダンス」と本気で向き合いたいから、スクールに入れてほしい。プロのコーチをつけて欲しい
いかがでしょうか?
英語だと応援したくなるのに、ブレイクダンスだと否定したくなりませんか?
「そんなこと本気でやるなら、勉強したほうが得だよ」
「ブレイクダンス頑張って、将来どうするつもり?」
「そんな遊びは趣味でやりなさい」
「ブレイクダンスなんか頑張って、勉強はどうするの?」
「大学に合格してから、サークルでやれば良いよ」
対話をしているつもりでも、ついつい否定的なニュアンスが入ってしまいます。
この否定から入る対話も、ブレイクダンスを10代で本気で取り組んだ人が、自立して幸せに生きている世界を「知らない」ことへの恐怖心と不安がベースにあるからです。
また、親から見て良いなと思える価値観がないものも否定したくなります。
ブレイクダンス、HIPHOP、スケボーのようなストリートな文化や、ゲームやアニメのようなサブカルチャーなど、自分が興味がないジャンルを肯定するのは難しいことです。
【今日からの子育てに取り入れる工夫】
だからこそ、親として大切なことは幾つになっても、知らないことを知る努力を続けること
私も、教育者として講演家として、様々なお子様の可能性を最大限引き出すために、この努力は続けております。
でも、それは努力と言っても、息抜きにもなる楽しい時間の使い方です。
私が行っている一例を挙げますね
「情熱大陸」をみる!
→ 様々なジャンルの方の生き様が特殊されているのでおすすめです。
興味を持った人の生い立ちを調べてみる
→ 今の時代、スポーツ、芸術、様々な人の人物伝がYoutudeで簡単に調べられます
もちろん、お子様のやりたいことを全て無条件でやらせるという意味ではありません。大事なポイントは、知らないことを知ることで、実りのある対話ができることです。
バイクの件でも、頭ごなしの否定ではなく、リスクを見極めた上で注意点は伝える。ブレイクダンスもその道のプロにならなくても、様々なキャリアの可能性に繋がることを伝える。
ブレイクダンスだと、それで将来食べていけるわけがないという不安が大きいと思いますが、目の前のことを本気で打ち込むことさえできれば、人生はダイナミックに展開していきます。
ブレイクダンスがきっかけで、ストリート文化の魅力を強く知り、自身のアパレルを立ち上げたり、デザイン会社を経営したり、カッコいい動画を取るカメラマンになるかもしれません。仲間が集まるゲストハウスを経営したり、自分が将来コーチになって子供に教えることも可能です。
こうやって記載していくと、いくらでもワクワクするキャリアの道があると思いませんか?
なので、本人が本気で自分を磨く覚悟さえあるなら、私は素晴らしい道だなと思うわけです。
長いこと連載を続けてきました、このシリーズもラストになりました。次回も「自立型人材」を育てるために親御さんに意識してもらいたいことをお伝えします。
ーー続くーー
このブログは、
AI時代を生き抜く「自立型人材」を育成する
という私の信念を基に掲載しています。
今日もどこかで頑張る「誰か」の
後押しになること願っています!