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【大器晩成】の子育て術① 塾選びで大切なこと

前回まで、5回に分けて「毒勉」の恐ろしさについてお伝えしてきました。

繰り返しになりますが、何よりも大切なこと、「毒勉」の状態に落ち込まないようにすることです。

予防が全てと言っても過言ではありません。

それでは、どのような心がけをすれば毒勉を予防できるのか?

今日からは、毒勉対策をお伝えします。


対策1
勉強を「楽しい」と思えるサポート

楽しいと言う感情が人のパフォーマンスを上げると言う事例は、すでに様々な分野で研究されています。

例の1つとしてあげるなら、

楽しい経験は、脳内で快感物質であるドーパミンの分泌を促します。ニューロサイエンスの研究によると、ドーパミンは記憶の定着にも重要な役割を果たしています。つまり、楽しみながら学んだことは、より長く、より強く記憶に残りやすいのです。

「楽しさ」とパフォーマンス向上の理論的な裏付けは様々なありますが、私はそれ以上に

時代と空気感の変化

の方が現場での体験から大切だと感じています。

様々な業界を日々研究していると

一人ひとりが「楽しいと思えることを頑張る時代」

の到来をヒシヒシと感じるからです。

例えば、スポーツの世界では、箱根駅伝で近年圧倒的な実績を残す「青山学院大学」は、陸上長距離という、以前は修行僧のような姿勢が求められる競技に、「明るさ」「楽しむ」というカラーを取り入れることで王者になりました。

2023年の夏の甲子園では、「エンジョイ・ベースボール」を掲げる慶應義塾高校が夏の甲子園を制覇しました。
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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230823/k10014172201000.html

また、社員満足度も高い、大人気企業のGoogleも「楽しみながら働く」ことを重視し、創造性と革新を奨励しています。

↓ ↓ ↓

https://next.rikunabi.com/journal/20170530_c/

もちろん、Googleなんて入社の難易度はとんでも無く高いですが・・

とにかくお伝えをしたかったのが

苦しいことを我慢してやるから、結果が出る時代から
苦しいことを楽しんでやるから、結果が出る時代へ

移り変わっているということ。

得てして、若者の方が時代の流れには敏感ですから、やっぱり時代の空気感にあった教育や子育てにアップデートしていくことが必要だと考えます。

「楽しいことしか続かない」
「楽しいことしか頑張れない」

この世の中の流れは、これからテクノロジーがさらに発展するにつれて加速すると私は、考えています。


勉強が楽しいと思える体験とイメージを作ろう】

勉強の効果を最大化するためにも、この「苦しいことを楽しんでやる」時代の流れに逆らうことはできません。

そう考えると、

勉強も同じで「学ぶことが楽しい」と言う体験が心に残っているかどうか?そのイメージを上手く作ることが、非常に大切になります。

例えば、

・歴史を学ぶのが楽しい( 枯れない好奇心)
・英語で外国の人と話ができた
・自分が成長している感覚が楽しい
・この先生と話をするのが楽しい
・塾の雰囲気が楽しい
・競争することが楽しい
・数字が伸びる感覚が楽しい
・塾で友達や女の子と過ごす時間が楽しい

特に小学校や中学校の時に、原体験としてその感覚を残すことが非常に大切です。

正直、この学ぶことが楽しいというイメージさえあれば、学歴や偏差値は自然とついてくるものです。

私の現場での経験でも、数年前にご縁があった、ある男子高校生は

「目標を定めて、それに向かって夢中になれる感覚が楽しい」

が口癖でした。

その男の子は、高3の冬まで全国を目標に部活動を真剣にやっていたので、浪人もしましたし、教科によっては偏差値が40のものもありましたが

浪人期間で、有意義な1年を過ごして、偏差値30近くを上げて、旧帝大に合格することができました。

小さい頃、どんな教育の機会を与えるかは、親御様の価値観や判断が大きなウェイトを占めます。

だからこそ、親御様の教育サービスを選ぶときの選択肢に、「楽しさを与える」と言う価値観も取り入れてもらいたい。

そして、未来ある子どもたちの

「短期的な偏差値よりも、長期的な幸せ」

のサポートをしてもらえたら嬉しいなと思います!


【今日からの子育てに取り入れる工夫】

習い事、様々な形態の塾、家庭教師など、世の中には教育サービスに溢れていますが、合格実績や偏差値UPの謳い文句だけではなく、

「その塾にお子様が楽しそうに通っているか?」

「この先生は勉強を好きにさせてくれるかな?」

と言う判断軸も追加で意識してみてください。

また、進路を選ぶときに

「中学校から〇〇大付属に入っておけば、将来楽ができるから」

みたいな、損得だけで進路を決めるリスクも認識して欲しいです。

その付属中学校に入るのに、以下で述べるような「スパルタの勉強」が過度に必要なら、お子様にはその進路は向いていないと思います。

次回は、毒勉対策の2つ目についてお伝えします!

これから先は、おまけとして塾業界に長くいたからこそ気づいたことを余談として書いています。興味のある方だけ読み進めてください!


※ おまけ 少し成績UPについて余談を・・

実は、簡単に作れる【早熟の偏差値

誤解を恐れずに言うなら、塾講師として、小学校や中学校時代に高い偏差値を取る「早熟」を育てることはそんなに難しくありません。

以下のやり方をすれば、目先の成績は簡単に伸ばすことができるからです。

・とにかく暗記をさせる
・朝から晩まで強制で勉強させる
・信賞必罰で、徹底的に競争をさせる
・とにかく量をひたすらこなさせる
・母親がつきっきりで管理する
・やらなければ、罰を与える
・怒りと恐怖でコントロールする

いわゆる昔ながらの、合格実績を売りにした集団の進学塾は、

「とにかく目の前の成績を上げること」

が使命ですから、多かれ少なかれこのような要素を仕組みに取り入れています。

親御さん世代ならピンとくる方もいるかもしれませんが、昔の進学校の先生は、教室に竹刀を持ち込んで、ビシビシ指導していたという話も聞いたことあります。

もちろん、この話を聞いたのは10年以上前で、当時のベテランの講師からだったので、今の時代は絶対にそんなことはないと思いますが。

多くの集団の進学塾は、激しい競争や膨大な課題をこなすことが求められます。

その激しい生存競争に生き残った子供たちは、成績をグンと伸ばして、いわゆる偏差値の高い中学校や高校に行くことができるでしょう。

しかし、仮にその時は生存競争を生き抜いて、第一志望の中学や高校に受かったとしても、怒られたくないからやる。義務だからやる。が癖になってしまったら、大学受験では通用しないんですよね。

大学受験では膨大な情報を高速で読み解くスピードと、なぜその答えになるのか?を粘り強く考え抜く「思考力」が求められます。ですから、受け身で嫌々取り組む状態では大学受験で偏差値は上がりません。

まさか大学受験まで、お母様が付きっきりで管理するなんてできないですよね?

一番伝えたいことは、そのような進学塾のやり方を否定することではありません。むしろ、お子様のタイプによっては間違い無く最適解と言える選択肢です。

ただ、目先の合格実績だけで判断するのではなく、

その環境をお子様が楽しいと思えるか?

お子様がそのような競争を楽しんでいるか?

膨大な課題も結果を出す手段として嬉々として楽しんでいるか?

しっかりその点を観察して、親御さんがお子様のタイプを見極めてあげて欲しいなと思います。


※ おまけ2

【小峠は地方ののんびりした環境が自分にあっていた】

ちなみに、僕個人は振り返ると、田舎の公立中高で育ったことが本当に良かったなと思います。

周りに進学塾なんてない環境でしたから、小学校の時は塾には行かず、中学校から週1回、寺小屋みたいなスタイルの塾に通うだけでした。

なので、中学校も高校も全国模試で1番とか、偏差値75あったとか、そんなレベルでは全然ありません。

むしろ、高校不登校になり道を外れたこともありました。その結果、緩い環境の緩いレベルの高校でも、学年最下位だった人生です。

しかし、「学ぶこと」「成長すること」「数字と向き合うこと」に対して、そこまでネガティブなイメージを抱くことなく大人になれたので、

26歳の時に、自発的に「TOEIC990点満点取る!」と決意して

足かけ3年はかかりましたが、29歳で自分が決めた目標を達成することで、さらなる自信をつけることができました。

典型的な「才能型」ではなく、「後伸び型」だなと自分で思います。

おそらく、僕くらいのポテンシャルで、小学校から

「灘目指して頑張りなさい!中学受験しなさい!楽しいことよりも、将来のために勉強!!」

と都会でゴリゴリ育てられていたらとゾッとします。

そもそも本気で頑張っても、そのような日本トップクラスの中学校に合格できるだけの才能があったとも思えませんし、万が一奇跡的に合格できたとしても、その後が地獄だったと思います。

私は、本気で粘り強く何度も問題と向き合って、やっと問題の本質を掴めるタイプです。英語の長文理解も、10回以上は本気の音読をしないと能力が上がりません。つまり、テストで点数を取るスキルと知識が身につくのが時間がかかります。

なので、そんな本物の秀才が揃う環境で生き抜こうと思ったら、彼らの5倍くらいは努力しないとついていけなかったと思います。

当然、10代の頃は勉強する目的も意味もよくわかっていなかったので、そんな努力絶対にできなかったでしょう。

さらに、学生時代はとにかく「遊びたい欲」の塊で、「青春したい病」だったので、「遊び」を優先して、中1からそのような超進学校のカリキュラムと課題はこなすことができなかったと思うので、100%不登校で卒業もできなかったのでは?と思います。

だからこそ、教育熱心なご家庭の親御様こそ、少し立ち止まって、お子様の気質を見極めて

「短期的な偏差値よりも、長期的な幸せ」

を意識した進路選びをしてもらいたいなと思います!

ちなみに、これは最近わかってきたことですが、小学校の時に多少勉強の才能が見えたとしても、この「青春した病」「遊ぶのが好き」なタイプは、個人的には都会にある名門私立のような超進学校は向いていないと思います。

その辺りは、自分自身思うところもあるので、「エリートの本当の凄さ」と言うテーマでいつか文章化したいなと思っております。


このブログは、

AI時代を生き抜く「自立型人材」を育成する

という私の信念を基に掲載しています。

今日もどこかで頑張る「誰か」の
後押しになること願っています!

次回は、毒勉対策の2つ目についてお伝えします!

いつもシェアありがとうございます!