前回の投稿では、毒勉状態で大学受験を迎えるとどうなるか?
ということについてお伝えをしました。
今日は、なぜ今の令和の時代が毒勉状態に陥りやすいのか?について考えてみます。
理由は2つあります。1回で全て書き切ると長くなるので、回に分けてお伝えします。
【1「勉強神話」が崩壊した令和の時代】
一つ目の理由が「勉強神話」の崩壊です。
勉強神話とは、「勉強さえしておけば将来、楽ができる」と言う希望を持たせて、勉強をさせることです。
ネットが発展する前の、終身雇用と学歴社会が共通認識だった時代。
そんな時代には、子供に勉強をさせるために便利な、魔法の言葉がありました。
「将来、楽をするために勉強しなさい」
「勉強をすれば、将来大人になって楽ができる!」
僕もなんで勉強するの?と小学生の時に親に聞くと、そんな答えが返ってきたような記憶があります。
ネットからの情報がなく、親や学校、出会った先生の価値観が全てだった時代は、
良くも悪くも
「勉強をすれば、将来楽ができる」
と言う価値観を子供たちに思い込ませることができました。
「今は、遊びたくても我慢をして、
ちゃんと勉強をして
大学さえ行けば
公務員や大企業に入って
安定した仕事に就けるから。
だから、真面目に勉強しなさい」
「高校生でやりたいことが見つからないのが
普通だから、とりあえず大学さえ行けば
選択肢が広がって将来楽ができるから」
と言う風に言いくるめて、とりあえず大学に行くために勉強させることができました。
「勉強神話」が通用していた時代と言えます。
しかし、令和の時代になり
この魔法の言葉が使えなくなってきています。
ネットやSNSを開けば、そんな公務員や大企業に入った先輩のネガティブな情報が山のように入ってきます。
私がこのブログにためにちょっと検索しただけでも、
「小学校教師1年目です。つらいです。」
「元メガバンク営業マンが語る!銀行員の地獄の一日」
「激務すぎる広告代理店の1日のスケジュール」
など、ほんの数分で、これだけの情報が上がってきます。
そんな情報にたくさん触れてしまうと、
「こんなつまらない勉強して、大学行っても意味あるのかな?」
「大学に行って、良い企業に入っても大変そうだしな」
「大企業に入っても楽ではなさそう」
と不安を感じてしまい
今、勉強を頑張ってこのままのルートを進んで楽できるの?
将来楽をするために、今は耐えて、我慢しているのに、本当にこれで正しいのかな?
と不信感を抱いてしまいます。
親や先生の言うことを信じて、将来、楽をするために、今を耐えている・我慢しているのに、本当にこれで正しいのかな?
とさらに悩んでしまい、勉強することの意味が分からなくなってしまう。
その結果、心がモヤモヤしてエネルギーが奪われてしまって、毒勉の状態に陥ってしまうのです。
【将来楽ができるをエサにするのは絶対にダメ】
ちなみに、私は教育者として
「勉強をすれば、将来大人になって楽ができる!」
この言葉は、大嫌いです。
今まで、教育の現場で一度も使ったことがありません。
なぜなら、子供たちが社会人になって
どんな働き方をしても、
どんな職種を選んでも、
キャリアの中で苦労する期間、
苦しい時期は必ずあると思うからです。
その時に、この言葉を支えにしてしまうといつか心が折れてしまうと思うんです。
「将来、楽するため」という目的で、感情を押し殺して、勉強もして就活も頑張って、一流企業に入ったとしても
楽をしたいという、自分本位なTakerの姿勢では、やっぱり仕事はうまくいきません。
そうなると、日々の仕事は楽になるどころか、苦しくなることばかり。
生産性が低いので、残業も多いし、人間関係は大変だし、気を遣うことも多いし、結果は出ないし、全然評価もされないし、給料も上がらないし・・。
と人生のネガティブループにハマってしまいます。
毒勉の罠にハマらないためにも、そしてその先の充実したキャリア形成をしていくためにも、
「何のために勉強をするのか?」
この目的の明確化。言語化が特にこれからの時代は大切になります。
この辺りは、対策編で詳しくお伝えしますね。
次回は、なぜ今の令和の時代が毒勉状態に陥りやすいのか?もう一つの理由をお伝えしていきます。
ーー 続く ーー
私は、ただ勉強の成績を上げるだけでなく
「一人ひとりのポテンシャルを最大限引き出し 自立する力を育む」
ことを一番の教育目標にしています。
そのためには、思春期の時期に「勉強」とどう向き合うかが本当に本当に大切になります。
「毒勉」という言葉に不安になったかもしれませんが、これから、毒勉の罠に陥らないための「対策編」もしっかりとお伝えします。安心して読み進めてくださいね。