前回の投稿では、「毒勉」状態になると子供たちにどのような影響が出るのか?
について、具体的なケースをお伝えしました。
前回の内容の詳細はこちらから
今日は、このような「毒勉」状態で大学受験に挑むとどうなるのか?についてお伝えします。
【毒勉状態では大学受験を乗り切る力が生まれない】
結論から言うと、毒勉状態では大学受験は乗り越えられません。
今まで、毒勉状態のお子様の大学受験の相談にも何度も付き合ってきました。
彼らの話を要約するといつも同じ結論になります。
「勉強は嫌いだし、頑張るのも嫌だ。特に目的はないけど、そこそこ有名で偏差値の高い大学には行きたい」
なぜ有名大学に行きたいの?と目的を尋ねても
「やりたいことも、目標もないけど、高卒で働きたくもないし。専門学校は親が許してくれないと思うから」
もちろん、ストレートにそんなことを言うわけではないのですが、コーチングをして彼らの本音の部分に触れると似たところに行き着きます。
そのようなメンタル状態で大学受験に挑んでも・・・
結果は、火を見るよりも明らかです・・
【そんな状況でも大学進学以外の道に難色を示す】
「そんなに勉強が嫌いなら、勉強なんて道具は捨ててしまって、別の道に進めば良いのに・・」
と思いませんか?
私は、教育の目的は「良い大学に行かせること」だとは1ミリも思っていません。
教育の目的は、
1「自立」
2「他者貢献」
3「人を傷つけずに稼ぐ力を養うこと」
この3つの力を伸ばすサポートをすることだと考えています。
職業は、そのための手段でしかありませんから、別に大学にいかずとも、その目的に繋がる道を歩んでいけば良いのです。
なので、大学受験にしっかりと向き合えないのなら、別の道で人生を切り開く方法や、やりたいことを見つける具体的な戦略なども必ず提案します。
しかし、毒勉状態のお子様に限って、なぜか良い学歴がないと
将来ヤバい
稼げない
不幸になる
と言う思い込みに囚われているケースが多い。
なぜこのような思い込みに支配されてしまうのか?
小峠の仮説では、周りの環境がそう感じさせるのかなと感じています。親も親戚も高学歴であったり、周りの環境も大卒の人ばかりに囲まれているので。
また、
「小学校のときは賢かった」
という過去の栄光もあるので、今さら専門学校に行くのは謎のプライドが許さない。
就職する勇気もないので、そちらの方向に舵を切る勇気もない。
勉強はしたくない・嫌い・嫌だ・嫌だ・・・
でも、、、、、
大学くらい行かないと
将来ヤバい・稼げない・不幸になる
でも、勉強なんて嫌いやし頑張りたくない。
と言う袋小路に追い込まれたような状態になり、メンタル的にもかなりしんどい状態になります。
また、親御さんからしても、
今まで勉強に投資もしてきたし、特にやりたいこともないのに、専門学校に行くのを応援するのは気が引ける。
だから、なんだかんだ言っても大学には行ってほしい。
けど、本気で受験勉強をしない姿を見るとイライラする。
その結果、無駄に勉強のことに対して口を出してしまい、親子喧嘩も増えて、親もしんどくなってしまう。
誰も幸せにならない状況が生まれてしまいます。。
【毒勉は他人事ではない】
私も教育の現場で様々なケースと深く関わってきましたが、「毒勉」状態のお子様のこの八方塞がりな様子を見ていると、いつも心苦しくなってしまいます。
何が心苦しいかというと、高校生という若さにしてすでに、ワクワクする未来を描けなくなっていることです。
それは、別に「医学部に行って、外科医になる」というような明確な職業観や、キャリアビジョンでなくて良いのです。
「欲」に近いような、近い未来のワクワク感で充分です。
・都会に出てみたい
・1人暮らしをしたい
・友達と夜まで騒ぎたい
・ダンスサークルに入りたい
・とにかくたくさん海外旅行に行きたい
・アルバイトをしてみたい
このような小さなワクワク感をたくさん抱くこと、未来への希望が大学受験を乗り切る何よりの原動力になります。
しかし、毒勉状態に入ってしまうと、このような小さな欲を押しつぶすようになります。
未来への好奇心<勉強への憎悪
という状態なので、自分の欲に対して素直になれなくなります。
「1人暮らししたいとは思うけど、別にできなくても問題ないんで」
「サークルとか別に興味ないんで、やりたいこともないですし・・」
もしかしたら、本当は1人暮らしもしたいし、サークルにも興味あるかもしれません。
しかし、それらを叶えるために、受験勉強しないといけないなら、
「別に必要ないよね」
と小さな欲を押しつぶすのです。
そうなると、受験を乗り越えるエネルギーなんて湧いてきません。
しかし、令和の時代に入り、以前よりも「毒勉状態」に陥りやすくなってしまっているように感じます。
どのご家庭にとっても他人事の問題ではないと思うんです。
次回は、令和の時代はなぜ毒勉の罠にハマりやすいのか?
についてお伝えします。
ーー 続く ーー
私は、ただ勉強の成績を上げるだけでなく
「一人ひとりのポテンシャルを最大限引き出し 自立する力を育む」
ことを一番の教育目標にしています。
そのためには、思春期の時期に「勉強」とどう向き合うかが本当に本当に大切になります。
「毒勉」という言葉に不安になったかもしれませんが、これから、毒勉の罠に陥らないための「対策編」もしっかりとお伝えします。安心して読み進めてくださいね。